「すごいなぁ」は間違いだったか
以前、単純に「すごいなぁ」と思ったのですが、小保方さん、さすがに、あれはダメですね。STAPという現象には夢があって、その存在を信じたい気持ちもありますが、あの一連の流れから科学者で彼女を信じる人はいないんじゃないでしょうか。
悪意が有ったとか、無かったとか、は、はっきり言ってどうでもいいです。彼女は、
「涙で枕を濡らした日が・・・」とか「もうやめよう、もうやめよう、という日が・・・」とか、「論文通すまでに2年かかった・・・」とか言ってます。
そんなに苦労した論文です。そもそも、研究者にとって、論文って、その人そのものです。それは、刀工にとっての刀、陶工にとっての陶器、料理人にとっての料理でしょう。研究者にとっては、論文こそが、職人としての作品なのです。一流の職人が、自分の作品について、「ありゃ、材料、間違えちゃった、てへ。」とか「小麦粉のつもりが、石膏入れちゃった、うふ。」とか言ってる姿、想像できませんよね。これと同じことです。苦労して苦労して書いた論文で、これは会心の作だと思えるものなら、一字一句にだって神経が張り巡らされると思います。それが研究者にとっての論文なはずです。
で、そんなに苦労した論文です。それで、あんなミス連発。要するに、小保方さんは職人(=研究者)ではないのです。・・・まるで、ワイドショーネタのようになってます。糾弾とか擁護とか。そんな問題じゃないんだと思います。ただ単に、ある研究者がダメなやつだと証明された、それだけのことです。そして、大抵の場合、そんな人は最後には職業研究者になれない、ってだけのことです。
このまんまじゃ、あまり気分良くないので、僕の大好きな研究者を紹介させて下さい。シカゴ大学の加藤和也先生です。是非、下の文章お読み下さい。
http://www.chem.konan-u.ac.jp/applphys/web_material/math_kato.pdf
このくらいでないと、超一流(一流ではない)にはなれないんでしょう。すごく憧れるのですが、これはさすがに無理ですよね、きっと(と言うか、僕は、ごくごく普通の、標準的人間ですから)。