熊谷朝臣の備忘録

自分のための備忘録です。時に告知板だったり、時に(誰も聞いてくれなかった)自慢話したりします。

父のこと 第2弾

まったくもって明るい人でした。亡くなるときですら、病室は、笑いに満ちていた、と言っても過言ではないでしょう。

 亡くなる2日前だって、

おかしい、俺は早くて1月、2月中には死んでるはずなのに、まだ生きてる。もう、やることは済んだ。おい、医者に文句言って来い。

で、点滴とか昇圧剤とかが入ってるんだけど、その管について、

全部外すように言って来い。もう、こんなのいらん。おい、医者に丸め込まれるなよ。自分を強く持て(意味わからん)。全部(管)抜くんだからな。

とのこと。とりあえず、お医者さんには、親父がこんなこと言ってますと伝えましたが、苦笑されました。そりゃそうですよね。

 父は、床ずれには悩まされてました。時々すごく痛くなるらしく、亡くなる2日前も、ウーンウーン唸ってました。ウチの長女は、”天然”を遥かに超えた存在(長女の担任の先生がそう言った)なんですが、その時も、

おじいちゃーん、××ちゃん、髪、上げた方が可愛い?おろした方が可愛いと思う?

とのこと。「こんな時に何言っとんじゃ?」と思ったんですが、そこで父、唸りながら、

おろした方が可愛い。

だと。「そして、それに答えるか~」と、こけそうになりました。

 万事、こんな調子でしたから、お葬式も明るく送り出すことにしました。

 父は、僕の講演を聞きたがっていたので(結局、一回も聞くことはできなかった)、葬式の挨拶は、あえて講演風を心がけ、「ここで笑いを取ってやる」と意気込んでやってみました。実際に笑いを取れたし、うまく行ったんではないかと思ってます。父は喜んでくれたんじゃないかな、なんて思ってます。