熊谷朝臣の備忘録

自分のための備忘録です。時に告知板だったり、時に(誰も聞いてくれなかった)自慢話したりします。

ドイツから帰国

 10/1~5の日程で、ドイツ・ワイマールからバスで15分ほどの地、エタースブルグにて、アメリカ・デラウェア大学(出資はUNIDEL Foundation, Inc.から)主催で

ETTERSBURG ECOHYDROLOGY WORKSHOP

が行われました。世界中から名立たる生態水文学者が呼ばれ、僕も参加してきました。ま、僕もそれなりに、まあ、認識されてるんだと思うことにしてます。場所は、

f:id:kuma_biogeo:20181007213009j:plain

嘘じゃないんです、上の写真のようにお城の中に作られた学校をホテルに改造したところ:Schloss Ettersburgで開催されました。

 目的は、「世界水危機の解決に対して生態水文学は何ができるか?」を考えることで、アプローチとして、

1. 社会水文学の適用

2. 旧来・最新の手法・計測技術を考える

3. 水文現象のプロセスを掘り起こす

4. モデル・シミュレーションの利用

を四つの柱としました。で、僕は、「4.モデル」を(なんと)GabyKatul先生ですよ)と組んで仕切るべく、はるばるドイツへ、なのです。

f:id:kuma_biogeo:20181007214703j:plain

自分のセッションでは、講演もしました。結構受けた(笑いが取れた)ので、まぁ、満足してます。

 面白いのは、各セクションの話題について、毎回、違うグループが作られ、それぞれのグループが割り当てられた部屋で議論しなきゃいけないってことです。で、その各部屋ごとにデラウェア大学の(大体、博士課程の)学生が割り当てられ、彼らは、その議論の議事録を作らなきゃならないのです。いや、それどころか、その直後、みんなの前で発表しなきゃならないのだから、これはスゴイ”実習”だと思いました。ウチの学生にこれができるのだろうか・・・本気で気分が暗くなりました。

 こんなんがあるから、デラウェア大学主催な訳です。各セッション(四つの柱)毎で論文がまとめられ、それをさらにまとめて論文「世界水危機の解決に対して生態水文学は何ができるか?」が出来上がるという流れを決めて(=責任者を決めて:うがぁ、責任者の一人になっちまったぁ)会を閉じました。

 しかし、なんとも贅沢な”学生実習”だと思います。こっちも結構ミーハー気分で参加しました。例えば

f:id:kuma_biogeo:20181005041721j:plain

右はお馴染みDelさんですが、左は、あの(炭素循環やってる人には”神”ですよね)Robert Jackson先生(スタンフォード大学)ですね。一緒に写真に入ってもらいました。写真を撮ってくれた飯田さん(森林総研)に大感謝な次第であります。ちなみに、奥にいる男性は、ミシガン大学の学長さんだそうで、会議が終わった後で、その偉さに気付いた人も複数いました(僕が知らなかっただけで、年配の”伝説の斜面水文学者”もいたようです)。

 こういう機会の度に、自分の小ささを思い知らされ、「もっと頑張んなきゃなぁ。」と思います。こういう機会をもらえることは大変な幸せですが、「こういう機会がもらえるくらいは、これまで頑張ってきたんだなぁ。」とも思います。

ますます精進する所存です。