「「論文が全てだ」って言うな」って言うな
前回のブログの続きになります。分かりにくいタイトルですが、
「論文が全て」ってわけじゃないないだろ。もっと大事なもんがあるだろ。
っていう人、僕の周りに意外といます。
で、よく、こんな例え話します。誰かが、「俺は100mを9秒57で走れる。」と言ったとします。確かに、一番大事なのは、”9秒57で走れる能力”でしょう。でも、それは、万人に見える形で示されない限り、”ただ言ってるだけ”になります。もっと大事なのは、”9秒57で走れるという事実”なのです。
じゃ、その事実は、どうやって示しますか。簡単なことです。記録を認定することが可能な計測能力のある記録会に出て記録を示すだけのことです。みんなの前で走りゃいいんですよ。その記録会は、別にオリンピックである必要はありませんが、記録の認定能力がある大会でなければなりませんね。ま、大きな大会であればあるほど、恰好が良いということはありますし、大きな大会の方が、記録の計測技術が高いでしょう。
さて、科学研究です。「こんなことがわかった!!」「こんなことができた!!」という事実こそが一番大事なことです。”ただ言うだけ”ではダメなのは言うまでもありません。
では、その事実はどうやって示すのか。公開実験とか詳細な研究の流れを示しながらの記者会見とかも有り得るかもしれません。が、やはり、一番は”記録認定能力のある”学術誌に論文を発表することです。論文を発表することこそが、”大会に出て走る”ことだと言えます。で、”大きな大会で走る”のがより効果的、なのです。
「俺は、すごく速く走れるけど、大会には出たことないんだよね。これからも出るつもりないし。」
ってアスリートのこと、誰が信用しますか?だから、やっぱり、科学研究にとって、
「論文が全て」
と言えるのです。