熊谷朝臣の備忘録

自分のための備忘録です。時に告知板だったり、時に(誰も聞いてくれなかった)自慢話したりします。

初心を思い出す

 忘れないうちに書き留めときます。自分の研究のやり方を決めたきっかけみたいなものを思い出す機会がありました。

 先日、ある再放送を見てて、戸塚洋二先生が、

どんなに美しい理論が提案されても、観測事実の前には否定される。観測屋は理論屋に、こう言うんです。「その理論は確かに美しい。でも、自然はその理論を採用してませんよ。」と。これが観測屋の醍醐味です。

と言ってました。そうそう、それ、昔(8年前の番組ですね、これ)、やっぱりこの番組で、この言葉を聞いて感銘を受けたんだった。

 で、その昔、日野幹雄先生が言ったことを思い出した。

1000のモデル計算結果が得られても、1つの観測結果が出たら、それは捨て去られなければならない。

 そうなんです、だから、僕は、観測もやるモデル屋(いや違う、モデルもやる観測屋・・・うーん、どっちでもいいや)になろうと。

モデルは確かに強力なツールだけど、「自然がその理論に沿ってる」という保証はない。観測は、その保証と、新しい理論構築のためにやるんだ。どちらが欠けても自然科学の手続き上の問題が生じる。だから、僕は両方やるんだ