熊谷朝臣の備忘録

自分のための備忘録です。時に告知板だったり、時に(誰も聞いてくれなかった)自慢話したりします。

眠過ぎる

 どうしてもSCE-UA法の”理屈”を思い出したくて、Duanら(Journal of Optimization Theory and Applications, 76, 501-; 1993)を探して読み始める。

・・・うぐぐぐ、頭に入ってこない。涙の嵐だ。特に、三角確率分布を使うところで、脳味噌停止状態だ。研究以外のところで頭を使わされすぎて、頭悪くなってるのか?・・・SCE-UA法なんて、ウチの学生の何人かは余裕で使いこなしてるから、悔しくてたまらん。くそう。

 さすがに寝る時間になった。わからん、わからんで、悔しいけれど寝るしかない。で、床に就く。・・・が、ずっと、頭の中で考え続ける。寝られんやんけ。・・・あ、わかった!!

 飛び起きて、数式やらアルゴリズムやら概念図やら書きなぐる。あ、思った通りだ。頭良いじゃん、僕。まだまだ、学生には負けないぜ。今、夜中の2時半。アホか僕は!?

 でも、こんな程度のことでも、わかったときの嬉しさときたら。いや、考え続けてるときの嬉しさも。こういう職に就けた幸運に感謝する出来事でした。

 で、今日は学部卒業式。卒業証書を渡す役だったりします。こんな状況なもんで、わずか15分ほどの式でしたが、実は凄まじく眠かったのです。・・・ごめんなさい。でも、みなさんの門出を心からお祝いしてます。まずは、おめでとう!!

 

ブログ再開

 ごく最近、偶然にも複数の方から、「よく(多分、過去の)ブログ読んでます」とか「全く更新されてませんがどうなってますか」とか「ブログを眺めては気合いをもらってます」のようなことを言われました。ありがたいことです。

 で、よく考えると、うぉっ、1年以上更新してないではないか!

なんか僕もいい歳になって、それなりに若手の人になんかしら影響与えたりするのだな、などと思ったりして、じゃ、こういうブログ書き続けるのも大事な仕事だったりするのかななどと思うわけです。実は、僕自身が若手であるということを信じて疑ってませんが、マジで。

 なので、できるだけ書こうと思ってます。今後ともご愛顧(?)のほどよろしくお願いします。

 で、2つほど、嬉しかったこと:

ウチの研究室の研究員の就職が決まりました。所属先ではかなり優遇されるポジションで、まったく能力と努力の素晴らしいコンビネーションがなせる業です、素晴らしい!!おめでとう!!江草さん!!

ウチの学生の論文が僕らの分野のスタンダードの学術誌に載りました。いつの間にやら、自分がファーストの論文が載るより学生の論文が載る方が嬉しくなるようになってしまった、いや、これマジで。

Fujime, N., Kumagai, T., Egusa, T., Momiyama, H. and Uchiyama, Y. (2021) Importance of calibration in determining forest stand transpiration using the thermal dissipation method. Agricultural and Forest Meteorology, 301-302, 15 May 2021, 108356

一応書誌情報つけときます。興味のある方はどうぞ。おめでとう藤目くん!!

訃報:中村哲さん

長らく更新してませんでしたが、これは書かずにはいられない。

 中村哲さんが亡くなってしまった。心からご冥福をお祈りします。

 矢原先生が紹介されていた動画を以下に紹介します。ペシャワール会20周年の記念映像だそうです。

 www.youtube.com

直接お会いすることはできませんでしたが、ずっと憧れの方です。そう、こんな生き方素晴らしいな、と思いながら、自分には絶対無理だ、と思わざるを得ないという意味で、憧れてました。上の動画見てもらえたら、きっと同意してもらえると思うのですが、中村さんは、ホントにカッコいいのですよ。僕には、どんなアーティストや俳優よりもカッコよく見えます。

 まだまだやりたいことがあったんだろうなぁと思います。きっとご本人が一番悔しいはず。彼の国だけでなく我が国にとっても、いや、人類にとって大損失です。

 気になることは、これで支援活動が躊躇されることだ。それは、それこそ”敵の思うつぼ”だと思うのです。そして、中村さんの死が支援活動を止めることに繋がるなんて、中村さんは絶対に望んでないと思うのです。・・・僕らにできることは何だろう?

 矢原先生が言うように、中村さんの著書を買うことは良い考えだと思います。

ご家族の皆様に心より哀悼の意を示します。中村哲さん、どうぞ安らかにお休みください。

更新します!!第二弾

こんな論文が出版されました:

Momiyama, H., Kumagai, T. and Egusa, T. (2019) Reproducing monthly evapotranspiration from a coniferous plantation watershed in Japan. Journal of Forest Research, 24(3), 197-200.

https://tandfonline.com/doi/full/10.1080/13416979.2019.1604606

東大に来て最初の学生が書いた論文なので、すごく嬉しい。自分が主著の論文とは違った何とも言いようのない嬉しさがあります。これは、教員やってる醍醐味の一つじゃないですかね。

 さて、前回予告のベトナム出張話です。2018年12月22~26日でベトナム行ってきました。基本、ダラットという町です。

 もともと独自にベトナムの森林、特に、高地の針葉樹林(嘘じゃないですよ!!)の炭素収支に興味があってベトナムの研究者と共同研究を始めたところだったのです。そこに、ちょうど九州大学矢原徹一先生のプロジェクトで「気象観測ステーションを設置したい」という話があり、これはまさに”渡りに舟”ってことで行ったのです。

 ダラットに着いて次の日には、講演しました。

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 このベトナム行、一緒に来てるのは、京大の北島先生(写真は、実は全て北島先生からいただいたもの。ありがとうございました)、東北大の陶山先生、九大の佐竹先生でした。うーん、オールスター戦ですね。講演でみなさんの話を聴けたのも良かったですが、一緒に山を歩けたのは、短い時間ですが、ホント良かった。ずっと食事時とかトーク楽しめました。ホント良かった、一流の生態学者の生態を見れた、と言う意味で(笑)。

 出発前に気付いたこと:機器選定からステーション作り、機器設置、ロガーへの配線、プログラム作り、電力供給システム作り、データ取得計画作成・・・など、要するに気象観測ステーションをゼロから全てこなせる人、特に、僻地でそれができる人・・・ほとんどいないじゃないか!・・・と言うわけで、僕自ら、観測ステーション作りに赴いたわけです。人材育成が急務だということを実感する機会でした。

 なので、自分でステーション作りしてるわけです(笑)。トレードマークの”頭にタオル”が素敵ですね。

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 結局、問題勃発で、この出張でステーション完成・観測開始はできませんでした。今回は、機器購入と現地への輸送を、完全に矢原先生にお願いしました。どんな理由があるにせよ、一旦は僕が国内で現物を手に取って全ての機器を実際に動かしてみる模擬観測を行うべきでした。これは、海外調査の鉄則です。それを守っていれば防げた問題勃発でした。大反省です。

 このリカバリーは、2019年4月のベトナム出張に続きます。

更新します!!第一弾!!

 えっと、表題の通りです。4ヶ月更新してませんね。実に色んなことがありました。ちゃんと報告するのも職業研究者の義務と心得ております。

 んで、半年前から順を追って、報告します。

 まずは、昨年12月にあったアメリカ地球物理学連合(AGU)の発表会です。いつものサンフランシスコでなく、今回、ワシントンDCでありました。

ここんところずっと招待講演が続いてるんですが、今回もお誘いを受けました。ユーリヒ総合研究機構カールスルーエ工科大を主体とした研究グループのセッションで

Measuring Evapotranspiration: In Situ Approaches and Challenges

です。要するに「蒸発散観測について」ですが、「最近、僕が一番力を入れてるのは観測じゃなくてモデル、しかもDGVMだよ。」と伝えたところ、「それじゃ、モデル研究をやる上で観測研究者に対する要求ってあるでしょ?あと、観測研究者の立場からモデル研究者に対して言いたいことってのもあるよね。どっちもやってるアンタなら、それ両方とも言えるでしょ。言ってよ。」(そんなにフランクじゃなかったね、すみません)ってことで、こんな発表することになりました:

Hydrologic components description-strengthened dynamic global vegetation model (S-TEDy): model-data comparisons

セッションの責任者は、ドイツのグループだったんで、先日のエタースブルグの森林水文学ワークショップ関係で、てっきりDelさん(Delphis Leviaデラウェア大教授)の差し金と思い込んでたんだけど、全然、関係なく僕に辿り着いたんだね。いや、光栄なことです

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で、上が講演冒頭(飯田さん、写真ありがとうございます)。篠原先輩(宮崎大)が写ってますね。「20年ほとんど毎年、AGUに参加してきて、口頭発表は今回が初めてです。これが、記念すべき初AGU口頭発表です。こんな貴重な機会をくれて、セッション責任者グループに大感謝です。」ってことを言ってるところですね(多分)。

 実のところ、あんまり発表自体はウマくなかったなぁ(またか)と反省したところなんですが、それでも、複数の人(訛りからして、みんなヨーロッパの人だと思う)に、面白かった、早くS-TEDyの論文書いてくれ、早く、S-TEDyを誰でも使えるようにしてくれ、なんて言われると、もうちょっと頑張ろうって気になります。精進します。

 あ、ワシントンDC最終日に食べたステーキは美味かったなぁ。感動的でした。超有名スポーツ選手とか大統領とかまで食べに来るような店だとか(それを考えると、そんなに高くない)なんですが、店の名前、分かんなくなりました。思い出さねば。

 次は、ベトナム出張話です。

ランダウの誕生日

そういや、もう3日も経ちますが、ランダウの誕生日でしたね。

 僕自身は、ランダウ・リフシツの理論物理学教程にお世話になったこともあり、あと、その強烈な人生に魅入られた(もちろん、真似したくはない)一ファンとして、妙に感じるものがある日だったのです。

 で、僕のホームページにある、

ミニマム・リクワイアメント

tomo-kumagai.eco.coocan.jp

何を意識してるかお分かりでしょうか?

 そう、ランダウの理論ミニマムなんです。もちろん、さすがに、あそこまで強烈ではないですが(そもそも、僕の能力がついていけない)。

リクエストにお応えして

表題の通りです。ホントは、こんなヒマ無いし、書くんだったら、もっと大事なこと(例えば、先月のアメリカ地球物理学会参加報告とかベトナム出張報告とか)あるんですが、ま、息抜き(か?)ということで。

tomo-kumagai.eco.coocan.jp

お楽しみ下さいませ。